2013年8月17日土曜日

進撃の巨人17話感想

進撃の巨人という作品は別冊少年マガジンで連載されている漫画で2013年春にアニメ化されています。

このエントリの執筆時点では18話まで放送が終了しています。

このアニメはすごい人気だそうです。
原作コミックは累計2000万部売れているそうです。
金儲けのためならどんなことでもする企業、電通が関わってることもあり、ステマによって「不自然に作られたブーム」のような感じがしてどうも好きになれない面があるのですが、それでも光る部分があるのは事実だと思います。



この物語では人類は壁の中に暮らしています。
壁の外には人間を襲う巨人がいて、人類はこの巨人と戦っています。

現在は巨人の謎を解く鍵を手に入れるため調査兵団が壁の外に出て調査をしている状況です。


兵団の兵士はお互いが目視できる距離をとって馬で移動し、巨人を見つけ次第、信号弾を撃って仲間に知らせ、なるべく巨人との戦闘を避ける作戦をとっています。



ここですさまじくかっこいい男が描かれています。
ディータ・ネス班長です。

この人物は調査兵団の先輩兵士として新兵の教育を担当していて、今回の壁外調査では隊列の周囲で索敵任務についています。


壁外調査の途中、隊列の周辺にいる索敵の兵士に見向きをせず一直線に隊列の中央に向かってすすんでいく巨人に遭遇します。

索敵兵に見向きせずに本隊へ突き進む巨人
ちょっかいを出さなければ索敵兵は狙われません

このとき索敵を担当していたネス班長はこういいます。
「平地での立体起動戦は明らかに不利。だが、奴に陣形を壊させるわけにはいかん」
「向こうはたしか新兵のアルレルトか。」
まだ、新兵をこいつに会わせたくねーな。」
「ここで仕留める!」

新兵をこいつに会わせたくない!


新兵を危険にさらしたくない。

なんという心意気でしょう。



設定だと巨人対人間のキルレシオは1:30だそうです。
つまり巨人を一体倒す間に人間は30人殺されるということ。


そんな過酷な状況にもかかわらず、自分の身の安全を一切省みず、新兵や本隊を最優先させるこの姿勢。


かっこよすぎるでしょう。

見事この巨人を倒したネス班長ですが、このあと知性を持つ女型の巨人によって地面にたたきつけられて戦死してしまいます。

隊列中央に突き進む巨人を見事に討伐


進撃の巨人ではこのような男気ある兵士が多数描かれ、そして残酷な死を迎えていきます。

知性のある巨人に地面に叩きつけられる壮絶な最期

17話が放送されたときネット上では「神回!」と高い評価でした。
作画や迫力がすごいという意味かもしれません。


これはまったくの個人的意見ですが物語の本質は「人間の素晴らしさを描く」ことだと思います。
これができていれば人の心を揺さぶることができるのです。


進撃の巨人のアニメ17話の評価が高いのは、作画や動画が優れていた、迫力があった、そういう理由かもしれません。


しかし、私は、ネス班長のような過酷な状況でも新兵を思いやり、職務に忠実に従い、結果としてあっけなく戦死してしまうというような生き様が人々の心を打ったのではないかと思います。


ネス班長は誰にも葬られることなく無残な死を遂げましたが、ネス班長は無残でも惨めでもありません。
人としての高潔さを示したのです。


ネス班長の最後の言葉は「(巨人を)アルレルトのほうに行かせるな!」でした。

このエントリをネス班長の石なき墓としたいと思います。

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