2010年8月25日水曜日

2010夏アニメ感想

アニメは大体3ヶ月(12話)でワンクールとして春夏秋冬と4回の周期で回っている。
はじめからツークールの計画でスタートする場合もあるし、ワンピースやドラゴンボールみたいに永遠に近いほどとめどなく放送が続くものもある。

 最近ではとりあえずワンクールのみ放送して、評判がよければのちにツークール目が放送されるというパターンが多いようだ。そのほうがビジネスとして合理的ということだろう。
アニメ作品を見る側としてのデメリットはアニメはコストが高いということである。
12話だけだとしても全部見るにはかなり時間がかかる。
しかもある程度見ないとそれがクソか傑作か区別がつかない。

 テレビアニメ作品の本質はキャラクタにあるような気がする。
 3ヶ月も付き合うことになるので、映画などよりもキャラクタに親近感を抱きやすいのだ。
 だからアニメのクリエーターは劇的なストーリー展開よりも視聴者がキャラクタに愛着を感じるような描写に力を注ぐほうがいいのかもしれない。
そのためには現実世界で実際の人物を観察することが必要である。
頭の中だけで作り上げたものは薄っぺらいのだ。
最近のアニメ作品は作画は向上しているが、途中でまったくストーリに興味をもてなくなるものも多い。 それはすべて頭の中だけで作り上げられているからだ。
誤解を恐れず言えば、安易に何でもできすぎるため、「どうせ助かるんでしょ?」とまったくスリルを感じることができないような作品もある。

ジョジョの奇妙な冒険のエボニーデビル戦ではチャリオッツがすぐそばにいるエボニーデビルに苦戦する。チャリオッツは目が見えないため、本体のポルナレフは死角にいるエボニーデビルを捕捉できないのだ。このように制限があったほうがスリリングな展開にできるのだ。

とめどなくいろいろ書いたが、最近見たアニメの大まか感想でもつらつらと書こうと思う。 書いておかないと忘れてしまいそうなものもある。 そういうものを覚えておく価値はないのかもしれないがせっかくコストを払って観たのだから書いておこう。

■いちばんうしろの大魔王
これは2010春のアニメになると思う。作画がかなりよい。 美少女がこれでもかというくらい出てくる。 しかし、キャラクタの掘り下げが甘く、安易に露骨なエロ描写がでてくる。
海でなまこをしごくようなシーンは作品の品位をおとすし、 そういう判断ができない人物がつくったものとなると興味が極端にうせる。 終盤はほとんどストーリに興味をもてなかった。
10点満点中4点

■君に届け
正統派少女まんがという感じだ。 主人公が不気味孤立キャラという点がポイントだ。
 性格はいいので、友達ができそうになるが、コミュニケーションが足りないために、 その友達候補を失いそうになるという展開が序盤のスリルを生んでいる。
またブサイクデフォルメされたときと本気美少女モ-ドの差をうまく利用している。
ただデフォルメ時のキャラのラインは若干雑に思えた。 リアルタイムで観ることは難しいし、録画機器もないためyoutubeで観ていたが、 途中からアップロード動画がなくなってきたため観るのをやめた。 オンエア作品の動画サイトへの流出は規制しないでほしい。
オンエアのための納品時点でアニメスタジオは報酬を得ているはずだし、 昔はそれがアニメのビジネスモデルだったわけで。
DVD販売収益についてはオンエアしていない特典をつけて差別化すればいい。
DVDを買うようなファンは全視聴者の中でも限られている熱烈なファンだし、 作品の認知が広まるにつれて熱烈ファンも増える。
 動画サイトなどで気楽に見ることができないとその作品自体がどういうものか知ることもできない。
10点満点中6点

■祝福のカンパネラ
エロゲが原作らしい。 作画がきれい過ぎる。
 クランだとかクエストだとかネットゲームの世界観が濃い。
ここら辺のセンスで受け付けることができるか分かれるが、ギリギリセーフかな。
魔法とか安易に使わないほうが面白みが増したりするのだが。

エロゲといっても引くような下品さはなく、主人公男子もきわめて紳士的。 エロシーンは女子の着替えシーンなどのライトなもので、女性視聴者にもうけそう。 向かいに住んでるる双子のキャラクタがいい。 ちょっと意地悪な妹に翻弄される姉のリアクションがかわいい。
メインストリームになることはないかもしれないが結構好印象をもった。
10点満点中7点

■あそびにいくヨ!
ぱっとしない主人公がなぜかモテモテになるハーレムアニメ。 作画は神がかっている。 また背景の書き込みが尋常じゃないため、画面が引き締まっている。 猫耳美少女がメインヒロインだが、ありきたりなキャラクタに、 はじめはうんざりしていたが、だんだん好感をもつようになった。 屈託ない性格がかわいい。 作品自体の構成は反吐が出るほど大量にあるハーレムアニメに過ぎないが、 キャラクタ描写によって作品としてのアイデンティティを確保することに成功したんじゃなかろうか。 現在7話程度までみたが、このまま破綻しないでほしいところ。 10点満点中7点

■学園黙示録
これは大嫌い。 学園ゾンビパニックもの。
映画なんかでは手垢にまみれた設定だが、意外にアニメ作品では珍しいのかも。 バトルロワイヤル臭がするんだよね。 馬鹿な視聴者はエロとグロとショックシーンを入れときゃ満足するんだろという製作側の視聴者をなめた姿勢が画面を通して透けて見える。 もっとも嫌いな性質のアニメだ。
10点満点中0点

■おおかみさんと7人の仲間たち
レールガンのスタッフがつくったみたいです。 作画もきれいで、御伽噺をモチーフにした作品イメージは意外にも独自性を生み出している。 もとの御伽噺のテンプレートがあるため、視聴者もそれぞれのエピソードに入りやすいし。 なんだかんだで今期では結構いい評価を得そう。 へたれ主人公がめっちゃ美人をゲットできるという観客の願望を提供するアニメに過ぎないんですけどね。この性質のものってほめ殺しじゃないけど、視聴する人にとって幸せなんだろうかと思う。 10点満点中7点 ■セキレイ2期 ま、これもハーレムアニメだよね。 全体的に品質が低い。 この程度のレベルだと軽蔑の対象となる。 10点満点中2点

■ストライクウィッチーズ2
前回のエントリを見てください。
10点満点中7点

■化物語
ま、これもハーレムアニメか。 ぱっとしない主人公がなぜかモテモテ。
一番初めに羽川のパンチラシーンを入れたり姑息な視聴者獲得メソッドをつかっているのは減点。 同様に戦場ヶ原ひたぎが露出狂のように裸をみせたがるが実際にそんな女いないだろっていう違和感が先行してしまう。 一番気に入らないのは作者の視点が見え隠れするところ。 例えば、主人公はスクール水着とかブルマとかに興奮するのだが、 リアルな高校生ならそういうリアクションはしない。 女子のさらさらの髪だとか、透明感とかに圧倒されてしまうからだ。 スクール水着とかに興奮するのは30過ぎのおっさんの視点、つまり作者の視点なのだ。 作品世界をリアルに見せるのは最低限のマナーだと思うが、 作者の視点を感じたとたん現実世界に呼び戻される。そんな違和感があるのは大きなマイナス。 そういう点で作品の完成度は低いよね。 背景や、カットはシャフト特有の独自性があるが、結局エヴァの亜流でしかないんだよね。
10点満点中6点

■ラストエグザイル
作画は比較的高い水準でまとまっている。
セピア色を基調にした絵作りが品のある印象を生んでいる。
キャラクタを印象付けるエピソードが足りないような気がする。
ラヴィは生き生きとしていて好感がもてるんだが、 それ以外の人物には愛着を持とうとしてももてない。

極端に利己的でわがままなキャラクタのほうが好感度高かったりするんだよね。
 ジョジョでいうならイギーや岸部露伴みたいな感じ。 サブキャラをしっかり描くことで世界に重みが出てくるのだが、 サブキャラが軽い印象。
「GONZO=くそ」みたいなイメージがあったからGONZO作品と知ったあとは ちょっと注意力散漫にみてしまった。 この作品を評価してる人もいるみたいなんで、もっときちんと観るべきだね。
10点満点中6点

仮面のメイドガイ
結構面白かった記憶があるが、あんま覚えていないからこのくらいかな。
10点満点中5点

■撲殺天使ドクロちゃん
引き出しの中から現れた魔法美少女。基本ストーリはドラえもんのパロディ。
結構いいセンスしている。
10点満点中7点

■大魔法峠
ドクロちゃんと同じコンセプトだね。
クオリティも同じくらいかな。
主人公魔法少女のきめ技がサブミッションとか最高すぎる。
10点満点中7点

■らきすた
これいいわ。
最後のおかあさんのエピソードが白眉。
10点満点中8点

■涼宮ハルヒの憂鬱
世間で言うほどの面白さではないと思った。 長門は綾波コピーにしか見えない。
10点満点中6点

■ひぐらしのなく頃に
25話がかなりいい。 壊してしまったものは元に戻せないということが痛いほどわかる。
 ただ全体で50話以上と無駄に長い。
ほとんどは真犯人を隠すためのミスディレクションなので、もうちょっとコンパクトにしてほしかった。
10点満点中8点

■ブラックラグーン
タイの架空の町ロアナブラを舞台にしたギャングアニメ。
悪党でも餌食にされる最悪の町に主人公の日本人商社マンが誘拐される。 いつ殺されても不思議じゃない状況だが、博識さを買われて運良く生き残る。

 小型船舶で運び屋家業をいそしむブラックラグーン商会で水夫として働くことになる。 すさみきった悪党の町で主人公の日本人特有の情緒は大きな癒しとなって、周りに気に入られる。

 特に双子編が不条理に悲しいが心に残るエピソードだ。 欲に目のくらんだ人間社会が生み出す残酷な犠牲者の悲劇。 主人公がその癒しとなったのだけが救い。

しかし、ほかのエピソードについては掘り下げが甘い。 例えば、レヴィはドラゴンボールのゴクウみたいに強いやつと戦いたがるが、本当に命を懸けて生きているなら、自分の命を守ろうとするはず。
そういうところのリアリティが足りない。 結局この作品何が言いたいんだろうと考えてしまう。
 6点

※評価はかなり主観に基づいています。
皆さんの評価とは違うかも。
ま、人それぞれってことで。
全部見ていないのもあるし。
アニメって、いいものと悪いものが一見して区別がつきにくい。
たいていがそこそこなんだけど、学園黙示録みたいのはすごい軽蔑します。

2009年の11月から今までの間で一番よかったのは喰霊-零-ですね。
これが一番好きかも。
次点が攻殻機動隊SACとプラネテス。
次が桜欄高校ホスト部とCCさくら。 彼氏彼女の事情。ここら辺は見て損しないですよ。
またなんか思い出したら追記します。

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