2010年5月1日土曜日

銀河鉄道999 その1


高校のとき友人がめちゃくちゃはまっていて、「貸してやる 貸してやる」と散々言っていたんのが
この「銀河鉄道999」です。
そしてある朝学校へ行くと、そいつがニコニコ笑顔でやってきて「入れておいだぞ!」と言いました。
何のことかわからず、机についてかばんの中身を机に入れようとしたところ、
ガツッと何かがつかえて入らないわけです。
中を見てみると「銀河鉄道999」の豪華版6冊がパンパンに詰まっていました。
それから3日間かけて私は「銀河鉄道999」全18巻を持って帰るハメになりました。
これが私と「銀河鉄道999」の出会いでした。

10才の少年、星野鉄郎が機械の体を手にいれるため、
謎の美女メーテルとともに銀河鉄道に乗って旅をする。。。

これが実にすばらしい!
無理やり教えてくれた友人に感謝です。
その中でも感動的なエピソード、コンバットモルモットのゼーダの話をご紹介したいと思います。

鉄郎とメーテルはとある惑星にたどり着き食事をとろうとします。
フォークとナイフを手に取ると、カーテンが自動的に開き、窓の外には戦争の風景が映し出されます。
「戦争映画をやってるのかい?」と鉄郎は驚きます。
そのとき、窓の外の兵士と目があったような気がします。

次の瞬間窓ガラスがわれ、その兵士が部屋に入ってきます。
「やい、俺たちが殺されるところ見て飯を食うのがそんなに楽しいか?」とその兵士が言います。
この兵士がゼーダです。
「ちがうよ。勝手にカーテンが開いたんだ。僕は驚いていただけだよ。」と鉄郎が言います。
この惑星では観光の目玉として戦争をショーにしていたのです。
「本当か?」
「・・・お前に見せたいものがある。無理にとは言わんが、来てくれないか?」とゼーダが言います。

自分のことを理解してほしいと考えた鉄郎はゼーダについていくことにします。
炎天下の中をしばらく歩くとゼーダが問いかけます。
「どうだ。そろそろへばってきたんじゃないか?」
「へばるもんか!へばったって、へばってないぞ」と鉄郎。
「お前はなかなか強情だな。実を言うと、俺はもうかなりへばっているんだよ」と笑うゼーダ。
・・ここがいいんですよね。ゼーダの外向けの仮面がはがれて素顔が見えたようで、
一気にゼーダが身近な存在になります。

やがて、夕方になります。
「なあ、鉄郎、夕焼けは好きか? ・・俺は嫌いだ。 夕方になると、明日の夕日が見られるか不安になるのさ。」
「明日の夕日なんて見られるに決まってるじゃないか?」鉄郎にはゼーダの言葉の意味がわかりません。

そして目的地にたどり着きます。
ゼーダが見せたかったものというのはうずたかく積まれた兵士たちの死体でした。
ショーのための戦争でも実際に多くの兵士が命が奪われていたのです。
彼らはコンバットモルモットと呼ばれ、その命の尊厳はほとんどなかったのです。
鉄郎はゼーダの「明日の夕日が見られないかもしれない」という言葉の意味を理解しました。

「鉄郎、俺たちはこんな政府をやっつけるためにクーデターの準備をしているんだ。
 お前がまたここに来るときには、違う星になっているはずだぜ。
 この星に来る奴の中に、お前みたいな奴もいるってことがわかってよかったよ。」とゼーダが言います。

銀河鉄道に戻った鉄郎はこの星で見たことをメーテルに話し、ゼーダたちの革命の成功を祈ります。
・・・ところが、そこでラジオから悲しいニュースが流れます。

「惑星ライフル・グレネードにてコンバットモルモットによるクーデターが発生しましたが
 当局により鎮圧されました。
 クーデターに参加したコンバットモルモットはすべて処刑されました。」

それを聞いた鉄郎の目からは涙が。。。
「メーテル、僕はもうこんな星には二度ときたくない。」
自分のことではめったに涙を流すことがない鉄郎だが、友のことでは涙もろいことをメーテルは知っている。。

うう。。号泣。。。
「俺はもうかなりへばっているんだよ」と笑いながら話すゼーダが忘れられません。

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